今回は日本の3ピースロックバンドFENCE OF DEFENSEを紹介します。
結成は1985年で当時から生バンドの骨太ロックとデジタルを融合させた唯一無二のバンド。
各メンバーはバンド結成前からプロとしてプロデュースやセッションに参加。メンバー全員がTM-NETWORKのツアーサポートに参加しています。結成と同時期には3人でサポートする予定だったがギターの北島健二がスケジュールの都合で参加できないため、後任としてB’z結成前の松本孝弘さんを紹介したそうです。
現在まで19枚のオリジナルアルバムをリリースしながら、様々なアーティストのライブサポートやレコーディングに参加しています。今年(2022)はデビュー35周年となり、アルバムリリースも予定されていて既にツアーも組まれるなど精力的に活動しています。
FENCE OF DEFENSEとの出会い
中学生当時TM-NETWORKが好きで聴いていて、その流れで友人からアルバム『Ⅲ』と『Ⅳ』、『Ⅲのライブビデオ』を借りたのが本格的な出会いです。実はその数年前に『SARA』という曲をラジオで聴いたことがあって、「ポップな良い曲だな」と思っていたのですが、このバンドの曲?と感じるほどバンド(メンバー)の風貌とのギャップに驚いたのを覚えています。デビュー当初は長髪にキラキラ衣装でヘビメタバンドかと思ったほど(笑)
とにかくデジロックの格好いい曲と、ライブ映像(武道館)での圧倒的な演奏、再現力にノックアウトされました。
メンバーと活動歴
西村 麻聡 (ボーカル・ベース・シンセサイザー)
18歳ころジャニーズ事務所のバックバンドとしてプロミュージシャンのキャリアがスタート。当時リハーサル中にジャニーさんから「ベースを弾くより、踊りをやってみたら」とスカウト!?のような言葉をかけられたことがあったそう。
近藤真彦さんやSMAPがFENCEの曲をカバーしていたり、ジャニーズに曲を提供していたのは知っていたのですが、このような縁があったのですね。
22歳では元チューリップの上田雅利さんが中心となって結成した「TONY」というバンドでメジャーデビュー。その後プロデューサーとして活動しながらスタジオミュージシャンとしてレコーディングに参加したり、元YMOの細野晴臣さん中心に結成された「FOE(Friends of Earth)」に参加。
FENCE結成後もバンド活動と並行して現在まで様々なアーティストへ曲を提供・プロデュース、そして映画・テレビ・ドラマ・アニメ・ゲーム等の音楽にも携わっています。
北島 健二(ギター・ボーカル)
小学5年生のころからギターを始め、高校時代の先輩にうじきつよしさん、同級生に織田哲郎さんがいました。織田哲郎さんは当時の北島のギターを聴いて、ギタリストになることを断念するほどの腕前だったようです。
19歳からプロギタリストとして活動を開始し、21歳に舘ひろし&セクシーダイナマイツに参加後、織田哲郎さんとバンドWHYを結成しデビューします。バンド解散後はスタジオミュージシャンとして数多くのレコーディング・セッションに参加。ある時期、北島健二が参加した曲がヒットチャートに並んでいたというくらい超売れっ子セッションマンに。
FENCE結成後もその活動は並行しており、1997年に田村直美さん率いる新生PEARLにカーマイン・アピス、トニー・フランクリンと共に参加。伝説のリズム隊と組んでも個性を発揮するケニー(PEARLでの名)。
最近では声優・ミュージシャン水樹奈々さんのレコーディング・バックバンドに参加するなど、その勢いは留まるところを知りません。
山田 亘(ドラム・ボーカル)
大学在学中からプロとして活動をはじめ、FENCE結成後もTM-NETWORKや高橋克典さん、清木場俊介さん等、様々なアーティストのレコーディングやツアーサポートに参加。
また、DJ KOOさんとのユニット「WILL」、ソロプロジェクト「TARUZ FACE」としての活動も並行して行っています。
サッカーやスカッシュなどのスポーツにも取り組んでいたり、世界遺産検定1級に合格するなど音楽以外でも精力的に活動されています。
私が初めて見たFENCEのライブビデオが『LIVE at 日本武道館~2235ZERO GENERATION完結編』だったのですが、ここでの要塞のようなドラムラックから叩き出されるドラムソロが圧倒的にカッコ良かったのがFENCEにハマった理由の一つです。
FENCE OF DEFENSEお勧めのアルバム(リリース順)
詳細については改めて個別にレビューしますが、
是非聴いていただきたいアルバムを紹介します。
FENCE OF DEFENSE(1987)
デビューアルバムとは思えない完成度。それもそのはず結成からリリースまで2年かけて制作されています。1曲目『INTRODUCTION(AB-O-RIGI-NAL)』から2曲目『BURN』への流れが最高。続く『STRANGE BLUE』はライブで実際に見てそのカッコよさに気づいたテクニカルな曲。
『NIGHTLESS GIRL』は前述したジャニーズもカバーした曲。ラスト『FAITHIA』はデビューシングルにして現在までバンドの代名詞でありライブでの定番曲。真っ白なアルバムジャケット、当時のヴィジュアル(衣装)、アルバムの世界観から「光・正義の使者」を連想させます。
FENCE OF DEFENSE Ⅲ~2235 ZERO GENERATION(1988)
近未来(2235年)の世界をテーマにしたコンセプトアルバム。プログレっぽいインストの組曲(カッコ良い)からはじまり、デジロックな『DATA NO.6』、ファンク調の『LAND OF THE LIAR』、ポップな『SARA』、ハードロック『HONEY MONEY』、ロックバラード『AGAIN』など様々な要素が入っていますが、通して聴くと一つの世界観にまとまっているという完成度。
このアルバムを携えてデビューから2年で武道館公演を大成功させます。
FENCE OF DEFENSE Ⅳ~ RED ON LEAD(1989)
前作までよりハードロック色を強くした4枚目。世間的にはこの転換が受け入れられなかったようですが、個人的にはロックとデジタルのバランスが良くて、一番好きなアルバムです。
アメリカンロック的な『CHAIN REACTION』、デジロックの完成形(あくまでも個人的に)『NAKED EYES』、メロディーが素晴らしい『MAGRITTE DANCE』、アコースティックなアンプラグド的な『LITTLE BIRD』、正にハードロックな『LET ME IN YOU』『ROCK DESERT』などテンションが上がります。
挑戦進化 ~HYPER PROGRESS~(2009)
ライブで新曲を演奏録音した音源に、スタジオでオーバーダビング等施し再構成された『ライブオリジナルアルバム』。和太鼓をフューチャーした『ARRIVE』から『RED LINE』の流れは新鮮だけどデジロックと融合していてカッコいい。
FENCEの王道『Wave Of Delight』ではライブで録音した観客のコーラスもそのまま使われています。ライブで盛り上がる『Showtime!!!』やプログレ風『A Song Of Apollo & Dafne』等、『Ⅳ』のデジロックが正当進化したかたちです。
Primitive New Essence(2020)
デビュー30周年記念アルバム『HDⅢX』(アナログ盤限定)に新曲を加え再構成した、19枚目の最新アルバム。FENCEらしいデジロックですが、全体的にダークな雰囲気が漂っていて追加された新曲も違和感なく一つの世界観を作り出しています。
『Shot in the Bomb』や『Happy Risky Monkey Show』では世界情勢や社会問題にあふれた歌があり、『Walk On』では希望を『LOVE、BELIEVE、AGAIN』では愛と平和を唄っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。FENCE OF DEFENSE
超一流セッションマンが組んだバンドのため演奏は完璧で、テクニカルな演奏のうえにメロディー重視の唄があるところも魅力です。
今年はデビュー35周年となり、新アルバムが製作されていてリリース情報を待つばかりです。是非聴いていただきたいと思います。
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